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全日本選手権シリーズランキング
 

写真&レポート

最終セクションで逆転
優勝した黒山健一
小川友幸は
僅かな差で第2位
前戦の怪我から復帰
見事、3位表彰台。田中太一

国際A級スーパークラス

2008全日本トライアル選手権シリーズ第4戦 北海道大会

全日本選手権北海道大会といえば、わっさむサーキット。旭川から30分ほど、和寒駅、和寒インターからほど近い、北の大地らしい景観の中にあるモトクロスコースでの開催。点在する大岩を中心にセクションが設定されているが、会場もセクションも、北海道トライアルファンにはすっかりおなじみとなっている。

黒山健一(ヤマハ)は負けなしの開幕3連勝。2007年チャンピオン小川友幸(ホンダ)は2位2回のあと野崎史高(ヤマハ)に破れてもうあとがない。逆に野崎は3位2回のあと小川を破って2位に駒を進め、上り調子だ。近畿大会で顔面骨折などの大けがを負った田中太一(ホンダ)が、まだ完全に癒えていない負傷を押して出場している。このクラスは、いつもの11人がフルメンバーで参加した。

序盤、きめ細かい美しいライディングを披露したのは野崎史高だった。第1セクションをクリーンしたのは野崎と田中のみ。黒山は不安定なライディングながらなんとか減点1で通過したが、小川はカード不通過で減点5で試合をスタートさせた。第2セクションでは、黒山のみがクリーンという、いつもの黒山らしいシーンがあったが、ここを野崎が1点に抑えて好調をアピール。小川はここでも減点3と苦しいトライが続く。さらに第3セクションでも、黒山が2点、小川が1点と失点する中、野崎が美しいライディングでクリーン……。ところがスイングアームがセクションテープを巻き込んでいて、残念無念の5点。ライディングは誰よりも美しいのに、それが結果に結びつかない。それもトライアルのむずかしさだ。

野崎はこのあと第4、第5と連続クリーンをし(この2セクションを連続クリーンしたのはただひとりだった)気を吐いたが、野崎のマシンはこの頃から不調を訴えるようになっていた。マシンの調子を見ながらのトライは、徐々に精彩を欠き、1ラップ後半からはカードを飛ばしたりテープを切ったりの不運も重なり、順位を落としてしまっていった。

第5セクションまで、クリーンはひとつながら5点がひとつもないという内容でトップを守った黒山だが、実は1週間前に足を負傷していて、痛みと闘いながらのトライだった。その影響が1ラップ後半から減点に表れた。川の中から岩に飛びつく第6セクション、第7セクションを減点5となるなど、一気に減点を増やして、気がつけば1ラップ目が終われば3位だった。

1ラップ目、トップで折り返したのは小川だった。序盤の数セクションは絶不調だったが、徐々に小川らしい美しくもしぶとい走りが復活。第6セクションをクリーンして黒山に同点で並び、8セクションを減点1で抜けていきなり黒山に4点差をつけてしまった。

もうひとり、黒山をリードしたのが田中だった。近畿大会のあと、病院で長い時間をすごし、トレーニングも練習もできていない。ライディングの感覚も体力も不安だらけだった。しかしそれが、逆に吹っ切れたライディングを可能にしているようにさえ見える。特に、田中以外、全員が5点となったコンクリートブロックの最終セクションをクリーンしてしまったのは圧巻だった。このクリーンが、田中を2位に押し上げた。

2ラップ目は、みな減点を減らしてきたが、全員が調子を上げてきたから戦況にはあまり変化がない。小川と黒山がこのラップを減点9で終えると、田中は減点10。鬼門だった最終セクションは、今度は小川もクリーンした。小川、田中のホンダ勢がクリーンしたのに対し、黒山と野崎は減点5となっている。トップ3が減点を大きく減らしたのに対して、野崎は減点20と大量失点した。1ラップ目中盤以降、野崎には苦しい闘いとなってしまった。

そして3ラップ目。黒山ががぜん調子を上げてきた。序盤6セクションをすべてクリーン。この日一番のパフォーマンスだ。小川も悪くはないが、少しずつ失点を重ねている。3ラップ目序盤は、田中のほうが調子はいい。小川、田中、黒山のトップ3は1点差をあらそう接戦を続けていて、試合終盤に向けて、緊張はぐんと高まっていった。野崎も3ラップ目にはペースを上げてきたが、いかんせん2ラップ目が悪すぎて、ちょっと挽回の目はない。

勝負は、黒山が苦手、小川が得意なラップの後半に持ち越された。この状況では小川が優位だ。しかし小川は、第6、第7と連続で5点。第7はこの日最大難関のセクションで、1ラップ目は全滅。2ラップ目は小川と黒山だけが減点3で抜けた(ここでも野崎が美しかったが、最後の岩を越えられずに5点となっている)。しかし3ラップ目、黒山が1点でここを通過すると小川は5点。この明暗が、結果をわけてしまった要因のひとつとなった。

最終セクション、接戦のまま、黒山がやや優位に立っているという情報が入ってくる。しかし最後は黒山が2回連続で5点となったコンクリートブロックが立ちはだかっている。先にトライした田中は、なんと3回目にして減点5。この5点で、それまで守っていた2位を失うことになってしまった。しかし今シーズン、表彰台が一度もなかった田中のこと、大けがからの復帰戦での表彰台獲得は、大きな自信につながることだろう。

続いて黒山がトライ。黒山は、ここまでで田中に3点、小川に5点差をつけていた。すでに田中が5点になっているから、田中とは8点差。小川がクリーンしたとして、黒山は最終セクションをアウトさえすれば勝利が決まる。ここまで一度もアウトできていない最終セクションに、黒山は勝負をかけることになった。アンダーガードがひっかかって、万事休したかに見えた黒山のトライだったが、1回の足つきから執念でマシンを進める。結果、減点1。これで、事実上黒山の勝利が決まった。

このあと、小川がクリーンで最終セクションを抜けたが、黒山との点差は4点。1ラップ2ラップと守ったトップの座を、最後の5セクションで失ったことになる。黒山は開幕4連勝。残り3戦で、小川とのポイント差は14点。3戦連続2位でもタイトル決定という、黒山にすればかなり楽なタイトル争いとなってきた。

4位野崎は3位田中と8点差。5位小川毅士(ホンダ)は野崎に44点差とトップグループとは倍に近い減点をくらってしまった。6位は、坂田匠太(ガスガス)が尻上がりに調子を上げて獲得している。マインダーなし、しかも手首を負傷した状態で参加した井内将太郎(ベータ)も後半踏ん張って7位を獲得している。

【黒山健一のコメント】

デモで足首を痛めてしまって、痛み止めの座薬を使ったのが災いして、ちょっとふらふらしたライディングになってしまいました。あまりに調子に乗れなくて、最低でも2位に入ろうと、途中で気持ちを切り替えて走りました。勝つのはあきらめていたのですが、終盤に小川さんと太一くんがミスをしてくれたので、逆転して勝つことができました。開幕4連勝しましたが、4連勝よりも、今日はここ数年、勝てない試合が続いていた北海道で勝てたことがうれしいです。

【小川友幸のコメント】

結果的には、勝ちそこねました。しかし1ラップ目の出だしから調子が悪くて、最後も自分からミスをして勝利を逃したという感じです。序盤に調子が悪かったのは、今日はちょっとミスをすると5点になる設定のセクションが多いから、あきらめずにがんばろうと思って走ったことで、その後なんとかトップに出られたのですが、あと少しで再度逆転されてしまいました。タイトル争いは正直厳しい感じですが、まず、今シーズンまだ優勝がないのが納得できないので、まず勝利めざして、残る試合を戦います。

【田中太一のコメント】

体力もなくて、試合中はたいへんだったのですが、競技中はケガをして以降に励ましてくれたみんなの顔や、つらかった治療のことを頭に描いて走りました。今となっては、ケガをしたことが、かえって自分のためになったかと思っています。ただライディングについてはぜんぜん納得していなくて、まだマシンに自分を合わせられていない。それをこれから合わせていけば、コンスタントにこれくらいの成績が出せるのではないかと思っています。

 


連勝する西元良太
北海道も堂々優勝!

国際A級

西元良太(スコルパ)がシーズン3勝目。近畿大会に続いて2連勝。1ラップ目から、2位の野本佳章(ベータ)に倍以上の点差をつけて、圧倒的な勝利だった。2ラップ目にやや減点を増やしてしまったが、3ラップ目にこの日のベストスコアとなる4点をマークして、2位以下をよせつけずの勝利だった。

柴田暁(ホンダ)は初の2位表彰台。3位宮崎航(ベータ)は婦長が続いた今シーズンの流れを一掃、ゼッケンよりひとつ上のポジションを得ることができた。前回の3位からポジションを落としはしたが、1ラップ目から確実に順位を上げて4位入賞は斉藤晶夫(ホンダ)。これら、若手が確実に好成績を挙げてきているのが、今シーズンの国際A級クラスの特徴である。

【西元良太のコメント】

クリーンの出せるセクションが多かったので、クリーンを確実に出するようこころがけました。2ラップにちょっと乱れてしまったんですけど、3ラップは挽回するべく集中したところベストラップが出せました。前回の近畿大会が終わったあと、また野崎選手のところに行ってトレーニングを重ねました。とってもきつい練習なんですが、その練習が的を射ていたので、今回もいい結果につながったと思います。今年はここまでいい感じで来たので、残る大会を全力でがんばります。

 


IBは小野田理智が優勝
ライバル上福浦は2位

国際B級

上福浦明男(シェルコ)、小野田理智(ホンダ)。ランキングのトップ争いをしている二人にすれば、今回のセクションはたいへんな神経戦だった。足をついたら終わり、という緊張感の中、今回は小野田が神経戦を制して勝利した。上福浦は2ラップ目に減点を増やして2位に甘んじた。

【小野田理智のコメント】

今日は、とても緊張してしまい、自分が自分じゃなかったようなでした。上福浦さんのことは、気にせずに走ろうと思っても、やっぱり気になってしょうがなかった。セクションがやさしい設定ですから、ちょっとしたミスが勝負に影響するのでとってもつらかった。思い切り走れないんですね。これで上福浦さんと同ポイントで並んだので、振り出しに戻りました。これからあとは全部勝って、チャンピオンをとるつもりです。

 



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