写真&レポート

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ライバル成田との激闘を制して
ヒート1で今季4勝目を挙げた熱田

第2ヒートで今季6勝目をマーク
4戦連続総合優勝を飾った成田 

IA1

 全日本モトクロス選手権シリーズ第5戦九州大会は、雄大な阿蘇の山並みを望む熊本県のHSR九州で開催された。九州地方のモーターサイクルスポーツの拠点となっているHSR九州。モトクロスコースは大小のコーナー、ジャンプが連続するテクニカルなレイアウトが特徴。元々の火山灰の黒土と茶褐色の粘土質の土をミックスしたためコースのパートごとに路面状況が異なり、また全体的に滑りやすい土質のため、タイヤの選択やラインの選び方が勝負のポイントとなる。
 天候は土日とも曇り。決勝日は雨の予報が出されていたが、午後は一時日が差すほどで、多少蒸し暑さを感じたもののこの時期の九州地方としては涼しく、絶好の観戦日和となった。このため公式発表で13,200人という大勢の観客が詰めかけた。

 IA1第1ヒート。ホールショットを決めたのは増田一将。直後にチームメイトの福留善秀が増田に激しく挑みかかり、福留、増田、加賀真一、出原 忍、成田 亮の順で1周目のコントロールラインを通過。4周目、1コーナーの進入で今度は出原が福留をパスしトップに浮上。その出原を8周目に成田がパスするなど、上位のポジションは激しし入れ替わる。

 その一方で、スタートで出遅れ1周目10番手のポジションからハイペースで追い上げてきたのが熱田孝高。レース中盤、トップ争いに追いついた熱田は、増田、出原を立て続けにパスすると、9周目には成田を捉えトップに浮上する。しかし成田も諦めずに熱田に食い下がり、後半、完全に成田と熱田の二人に絞られたトップ争いは、15周目に成田が再び先行するものの、迎えたラストラップに熱田が勝負をしかけ逆転。その後も成田の攻めを守りきった熱田が今季4勝目をマークした。2位は成田。後半ポジションを下げた出原に代わり福留と増田によって繰り広げられた3位争いは、最終ラップに福留と増田が接触転倒。この間に再びポジションを回復させた出原が3位表彰台を獲得した。

 第2ヒート。ホールショットを決めた釘村太一をパスし、成田がトップ、釘村、溝口、増田、加賀がこれに続きコントロールラインを通過。一方、1周目の混戦の中で大河原功次と小池田猛が接触転倒するアクシデントがあり、熱田はこれに巻き込まれ大きくポジションを落してしまう。トップ争いは、釘村、溝口がポジションを下げ、代わって増田が2番手に浮上。増田の執拗なプレッシャーを受けた成田は、9周目に増田の先行を許すが14周目に再び増田をパスしトップを奪い返す。終盤、増田の追撃を振り切った成田はトップでチェッカーを受け今季5勝目をマーク。2位は増田。1周目7番手のポジションから追い上げてきた出原の追撃をかわした加賀が3位表彰台を獲得。出原は4位。熱田は23台をパスし5位でフィニッシュした。


 

地元の声援に応え、ヒート1で
2年ぶりの優勝を飾った深谷

ヒート1が2位、ヒート2は優勝で
ランキングトップに返り咲いた小島

IA2

 第1ヒート。ホールショットを決めた平田 優がスタートから小島庸平、勝谷武史、新井宏彰を従えレース前半をリードするが、中盤、フロントブレーキにトラブルが発生し、平田はペースダウン。11周目に小島が代わってトップに立つが、次の周には新井、勝谷をパスし追い上げてきた深谷広一が小島をパスしトップに躍り出る。佐賀県出身でこのコースを最も得意とする深谷は、後半もペースが衰えることなく2位の小島を振り切ってフィニッシュ。このコースで初優勝を飾った深谷が2年ぶり2勝目をマークした。2位は小島、小島の背後に迫るも転倒でポジションを落した勝谷に代わって新井が3位でフィニッシュした。


 第2ヒート。またも平田のホールショットでレースがスタート、小島、井上真一、新井がこれに続く。2周目、小島は平田をパスしトップに浮上。小島が快調にリードを広げる一方、平田はペースが上がらず、13周目には、1周目6番手から新井、井上らを抜いてポジションを上げてきた深谷にもパスされ3番手へと後退する。2番手に浮上した深谷はなおも攻め続け小島追うが、前半に築いたリードを守りきった小島が逃げ切って優勝。深谷が2位、平田は3位。この結果ポイントランキングでは平田と小島が入れ代わり、小島が開幕戦以来となる首位に返り咲いた。


 
  

 

早めの勝負が功を奏して
クラス初のWウィンを飾った大薮

IB OPEN    
 
 午後、晴れ間が顔を覗かす中でスタートしたIB Open。吉原京右がホールショットから先行するが、一気にスパートした大薮亮人がコーナーのインに割って入りトップに浮上。一方吉原は最終コーナーで転倒し大きくポジションを落してしまう。後方では外間大地が2番手に浮上。レースは大薮が単独トップを守ったまま逃げ切ってIB2に続き優勝。IBクラスでは今季初のパーフェクト優勝を達成した。外間が単独2位。1周目12番手から追い上げてきた矢野和都が加わり混戦となった3位争いは、矢野が逆転で3位表彰台を獲得した。


 「IB2は予選落ちしてしまったので、絶対に勝ちたかった。でもスタートで出遅れてしまい3位になるのがやっとでした。」と矢野。優勝した大薮は、「昼休みの散水でコースがさらに滑りやすくなっていたため、みんな慎重になっていたんだと思う。早めに勝負に出たのがよかった。」とコメントした。

 

 

先行逃げきりのレース展開で
今季2勝目をマークした大薮

IB2    
 
 ホールショットを決めた田中雅己を2周目に大薮がパスしトップに浮上。後方では1周目4番手で戻ってきた岡田 涼が宮崎 淳、田中をパスし2番手にポジションを上げる。しかし安定したペースで周回を重ねる大薮は、岡田の追撃を許すことなく逃げ切って優勝。2位は岡田、小塙 竜が3位でフィニッシュした。


 「スタートは決して良くなかったが、1コーナーを上手く回って前に出ることができた。後半はバテて走りもバラバラになったがなんとか最後まで逃げ切ることができました。」と大薮。2位となった岡田は「ミスしてくれないかなって思ってたんですが、安定してましたね。追いつけませんでした。」とコメント。一方小塙は「九州大会に出るのは初めてなので、路面が滑りやすくてとにかく難しかった。3位になれたのはチームのみんなのおかげです。」とコメントした。

 

 

開幕から土付かずの5連勝
早くも連続Vに王手をかけた鈴木

レディース
  
 金城さやかのホールショットでレースはスタート。益春菜、鈴木沙耶、沖幸子、安原さや、萩原真理子がこれに続く。しかし1周目をトップで戻ってきたのは鈴木。金城をパスし沖が2番手で鈴木に続くが、沖は2周目に転倒し、大きくポジションを下げる。レースは鈴木がリードを広げる一方、沖に続いて金城をパスした益が2番手に浮上するが、その益もラスト2周目に転倒し、鈴木は独走のままフィニッシュ。開幕からの連勝を5に伸ばし早くもシリーズタイトルに王手をかけた。益の転倒で再びポジションを上げた金城が2位で前回中国大会に続き連続で2位表彰台を獲得。益が3位。沖はラストラップに萩原をパスし4位でフィニッシュした。


 「予選から金城さんが速かったし、みんな速くなってますからね。油断なんてできないです。今日はスタートで前に出れたのがよかったです。」と鈴木。一方の金城は「スタートで上手く前に出れたけど、逆に緊張してしまい自分の走りができなかった。2位と言っても益さんが転んで繰り上がっただけ。まだまだ練習が足りないです。」とコメントした。



 


たくさんの声援に後押しされて
見事優勝した森クンと古賀クン

レディース
  
 九州、沖縄のちびっこたち18名が参加して行われたチャイルドクロス。レースはBクラスの森祐介君がスタートから飛び出して優勝。Bクラスは福山大介君が2位、仲村忠丸君が3位。パワーのないAクラスのマシンで果敢に森君を追った古賀太基君は、ただ一人トップと同一周回で全体の3位に食い込みAクラスでは見事優勝。川野空跳君がAクラス2位、江崎雄大君がAクラス3位だった。


 HSR九州がある大津の隣町からエントリーしてきた森君は泗水東小の3年生。「土日はいつもこのコースで練習している。将来は福留選手みたいなライダーになりたいです。」と夢を語ってくれた。一方「好きな選手は小島選手。」という古賀君は福岡のライダー。「8月のオフロード全国大会に出るのが楽しみ。」と目標を語ってくれた。


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