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熱田は今季3勝目をマークするも
ヒート2はノーポイントに終わる

3連続パーフェクトこそ逃したものの
ヒート2で今季5勝目を挙げた成田 

IA1

 全日本モトクロス選手権シリーズ第4戦中国大会は、広島県のグリーンパーク弘楽園で開催された。飛距離20メートル近いロングジャンプ、ハイスピードのアップダウンやフープスなど国内有数のダイナミックなレイアウトを誇る同コース。しかし、予選が行われた土曜日は生憎の雨模様となり、朝から降り続いた雨でドロドロのマディコンディションとなってしまう。急遽コースをショートカットするなどの対策が取られたが、IBクラス、レディスなどスタックするライダーが続出、また、出走台数が決勝グリッドに満たなかったIA1クラスは協議の上予選を中止し、ポイントランキングで決勝のスタートグリッドを決定した。
 迎えた決勝レースは土曜日とは打って変わって五月晴れの好天に恵まれ、午前中こそマディ部分が残ったもののコンディションは見る見る回復。毎回多数の観客が集まる中国大会だが、今回も地元広島県内はもちろん、近畿、九州地方などから13,000人の観客が詰めかけた。

 IA1第1ヒート。ホールショットを決めたのは前回からレースに復帰した加賀真一。高濱龍一郎、熱田孝高、増田一将がこれに続き、スタート1コーナーを右にターンしてショットカットで回る1周目のコントロールラインを通過。2周目、増田が転倒で後退。一方1周目11番手と珍しくスタートで出遅れた成田は、4周目に3番手までポジションを上げる。
 続く5周目、トップを走っていた加賀がミスを犯して2番手に後退。しかし、代わってトップに立った高濱も中盤以降ペースが上がらず、7周目には再び加賀がトップに浮上する。直後高濱はミスでポジションを下げ、熱田、成田が2,3番手で加賀を追う。
 加賀、熱田、成田による三つ巴のトップ争いは、後半、フープスでミスを犯した熱田に代わり成田が2番手にポジションアップ。14周目、成田はトップの加賀をパスしトップに浮上するが、熱田も加賀をパスしレースは終盤戦に。ラスト2周、熱田のプレッシャーを受けた成田がスリップダウンを喫し、この隙にトップを奪った熱田が成田を振り切って優勝。成田は2位、加賀は3位でフィニッシュした。

 続く第2ヒート。ホールショットを奪ったのは中山 裕。出原 忍、増田、成田、熱田に続き溝口哲也が6番手で1周目のコントロールラインを通過。2周目、成田は増田のインに強引に割って入り3番手に浮上。この接触で増田は6番手に後退する。3周目、出原を抜いて2番手にポジションを上げた成田は、4周目に中山をパスしトップを奪うとさらにペースを上げて逃げきりを図る。
 後続では出原と熱田、増田、溝口が激しいバトルを繰り広げ、11周目に出原をパスした熱田が2番手に浮上。13周目、今度は増田が出原をパスすると、直後に出原は転倒で大きくポジションを落とす。トップの成田がリードを広げて迎えた終盤、2番手を走行していた熱田がジャンプ着地で手首を痛めてスローダウン。これで増田、溝口の順位が繰り上がり、ハイペースで逃げ切った成田は今季5勝目をマーク、増田が2位、溝口が3位でフィニッシュした。


 

グリーンパーク弘楽園の名物
ラムソンジャンプを飛ぶ平田

ライバルを寄せつけぬ走りで
平田が今季2度目の完全優勝を飾る

IA2

 第1ヒート。小島庸平と井上眞一が並んで1コーナーをターンし、1周目は小島、井上、坂下賢記、平田 優の順でコントロールラインを通過。2周目、ペースの上がらない坂下をパスし平田が3番手に浮上。序盤は小島を井上、平田が追う展開となる。7周目、小島がフープスでミスしトップ争いは井上、平田、小島の順に。後半井上が遅れ出し、代わって9周目、平田がトップに浮上。小島は1周目12番手から追い上げてきた勝谷にパスされ3番手に後退するが、終盤、周遅れにラインを塞がれた勝谷に対し、このコース最大の見せ場であるラムソンジャンプを飛んだ小島がパスし再び2番手が逆転。
 
レースはスタートから安定した走りで逃げ切った平田が優勝。小島が2位、勝谷が3位でフィニッシュした。


 第2ヒートは井上、平田の好スタートでレースがスタート。須田 順を挟んで小島は3番手で1周目のコントロールラインを通過。またもスタートで出遅れた勝谷は1周目16番手からの追い上げを強いられる。
 2周目、小島が須田をパスし3番手に浮上。しかし平田は4周目に井上をパスすると、後続を引き離しにかかる。小島も5周目に井上をパスし2番手にポジションを上げるが、ハイペースで周回を重ねる平田との差は徐々に広がり、結局後半大量リードを築いて逃げ切った平田が優勝。第2戦近畿大会以来、今季2度目のパーフェクト優勝を飾った。2位は小島。また勝谷がこのヒートもすさまじい追い上げを見せ、14周目には3番手に浮上。このヒートも1位平田、2位小島、3位勝谷でこの3名が表彰台を独占した。


 
  

 

全日本初表彰台が初優勝
見事な逆転劇を演じた小塙 竜

IB OPEN    
 
 ホールショットを決めたのは矢野和都。序盤からペースを上げて逃げきりを図る矢野に対し、2周目に2番手に浮上した小塙 竜が追う二人のトップ争いは、ケガから復帰したばかりの矢野が後半ペースを維持できず小塙の接近を許してしまう。テールtoノーズのバトルは9周目、ついに小塙が矢野をパスしトップに浮上。矢野も必死で食い下がるが徐々にその差は開き、終盤リードを広げた小塙が逃げ切って初優勝をマーク。1周目5番手で戻ってきた三原 拓也と1周目15番手から追い上げた岡田 涼による3位争いは、フィニッシュジャンプを飛び過ぎた岡田がマシントラブルを引き起しリタイア。三原が初の表彰台を獲得した。


 「勝てたのはチームや応援してくれたみんなのおかげ。すごく嬉しいです。」と初優勝の小塙。矢野は「体力不足で抜かれてしまった。トレーニングを重ねて次の九州では優勝します。」とコメントした。

 

 

IB Open4連覇は逃したものの
IB2初優勝を飾った岡田 涼

IB2    
 
 ホールショットを決めた島田勇耶をパスし、ケガから復帰してきた矢野和都が前半をリード。島田は3周目、岡田 涼にもパスされ後退。島田をパスし2番手に浮上した岡田は、徐々に矢野との差を詰めると、7周目に矢野がミスを犯してトップが入れ替る。矢野はすぐに岡田を抜き返して再びトップを奪うが、3位以下を大きく引き離してのトップ争いは、10周目再び矢野を捉えた岡田が逃げきりこのクラス初優勝をマーク。2位は矢野。1周目5番手から追い上げた松尾博史が3位で初の表彰台を獲得した。


 「前半離されてしまったが、矢野君とは学校も同じでいつも一緒に練習しているから、余計に負けられないと思って頑張った。」と岡田。初表彰台に立った松尾は「同じクラスの兄よりも先に表彰台に立ちたかった。いいスタートが切れて、強こそ絶対に行けると最後まで頑張りました。」とコメントしている。


 

 

若手の追撃を振り切って
開幕4連勝を飾った鈴木沙耶

レディース
  
 ホールショットを決めた安原さやに続き鈴木沙耶、金城さやかの順に1周目のコントロールラインを通過。3周目、鈴木が安原をパスしトップに浮上。4番手以下を大きく引き離した3台のバトルは、まず鈴木が抜け出し、2位争いは金城が安原の前に出てトップ鈴木を追う展開となる。しかし鈴木は、二人に付け入る隙を与えず、徐々にリードを広げると独走態勢に。若手二人を従えた鈴木が安定した走り出逃げきり開幕から4連勝。金城が2位、安原が3位でともに今季初表彰台をゲットした。


 「マディは苦手なので、昨日のコンディションだったら絶対に勝てなかったと思う。金城さん、何気に速かったですよね。若いライダーも伸びてきてるんで、うかうかできないです。」と鈴木はコメントした。このレース、鈴木とトップ争いを展開してきた益春菜、萩原真理子はケガのため欠場。またランキング2番手に付けていた沖幸子はスタートで出遅れ、必死にポジションを挽回するも4位でフィニッシュした。


 


難しいマディコンディションを
元気に走りきったちびっこたち

レディース
  
 中国地区はもちろん、大阪や九州地区のちびっこたちが遠征出場したチャイルドクラスには21名のライダーが出場。お昼休みに行われたレースは本コースを大幅にショートカットして行われたが、午前中のマディが残り、小径ホイールのジュニアクラスには厳しいコンディションとなる。そんな中、安定した走りを見せた古賀仁愛クンが16ラップを走りきって優勝。

 「4歳のときに始めました。将来はジェームス・スチュワート選手みたいになりたい。」と古賀クン。


 所々で転倒もあったが、周回毎にマディコンディションを克服しスムーズに走れるようになったチャイルドクラスのライダーたち。コースサイドからはお父さんやお母さんから熱い声援が送られた。

 


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