写真&レポート

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ライバルの追撃をかわし、2戦連続
パーフェクト優勝を飾った成田 亮

激しいバトルを繰り広げたライバルと
互いの健闘を讃え合う成田 

IA1

 宮城県のスポーツランドSUGOで開幕し、奈良県で行われた第2戦近畿大会を経て関東へと戻ってきた今シーズンの全日本。第3戦の舞台となったのは、ひたちなか海浜公園に面して広大な敷地を保有する自動車安全運転センター安全運転中央研修所。この会場は、自動車教習所の教官講習などに使用される公共施設で、高速周回コースの内側に安全運転教習のための様々な体験設備がある。年に1度行われる白バイ全国大会で使用されるモトクロスコースは、ほぼ全面が芝生貼りで、世界にも例のない美しいロケーション。観客はコース全体が見渡せる斜面にシートを広げ、ピクニック気分で観戦することができる。天候は予選が行われた土曜日が晴れ、日曜日は薄曇り時々晴れという絶好のコンディション。最寄りのJR勝田駅からクルマで10分とアクセスも非常に良く、関東全域はもちろん、東北、関西などの遠方から15,500人の観客が詰めかけた。

 コースサイドに応援の旗が数多く振られる中で行われたIA1第1ヒート。ホールショットを決めたのは溝口哲也。成田 亮が2番手、福留善秀、戸田蔵人、小池田猛がこれに続き1周目のコントロールラインを通過。序盤、溝口と成田のトップ争いは、3周目のフィニッシュジャンプを過ぎたあたりで溝口がラインを明け渡しリーダーが入れ替わる。4周目以降はハイペースの成田を溝口が追う展開となり、福留は単独3番手のポジションをキープ。その後方では、小池田、戸田、熱田、増田、加賀が激しい4番手争いを繰り広げる。そんな中、動きがあったのは9周目、増田が転倒で脱落。一方熱田は、14周目に小池田、福留を立て続けにパスし3番手に浮上する。この時点でトップ2台は大きなリードを広げ、レースはしぶとく追いすがる溝口の追撃を振り切った成田が優勝。溝口は2位で今季初表彰台を獲得。熱田が3位。後続では福留が終盤ポジションを下げ、小池田、加賀、福留の順でフィニッシュした。

 最終プログラムとして行われたIA1第2ヒート。ホールショットを奪ったのは熱田。成田が2番手に付け、共に海外での実績を積んで全日本に復帰した二人が序盤から激しいトップ争いを展開。溝口がその成り行きを見守るように3番手に付けレースの序盤が経過する。前半先行していた熱田だが、6周目に成田にトップを譲ると今度は溝口のプレッシャーを受けて、11周目に今度は溝口が2番手に浮上。続く12周目には増田が熱田、溝口を一気にパスし2番手に浮上。増田は後半、成田にプレッシャーをかけ続けるが、成田は増田の追撃を凌いでトップでチェッカーを受け、前回近畿大会に続く今季2度目のパーフェクト優勝を達成。増田がこのヒート2位。終盤、疲れの見え始めた溝口を捉えた熱田が3位表彰台を獲得。溝口は4位、福留は自己ベストとなる5位でフィニッシュした。

 

ライバルの追撃を振り切って
今季2勝目を上げた小島庸平

猛烈な追い上げのレースで
今季初優勝を飾った勝谷武史

IA2

 加藤吏一のホールショットでスタートしたレースは、1周目加藤がトップ、小島庸平が2番手、新井宏彰、平田 優がこれに続き1周目のコントロールラインを通過。2周目、加藤がミスでポジョンを下げ代わって小島がトップに浮上。中盤は逃げきりを図る小島を新井、平田、さらに4番手に付けた井上眞一のカワサキ勢が追う展開となるが、確実にトップをキープする小島は、前半は新井、後半は新井に代わって2番手に浮上した平田の追撃を退けトップでフィニッシュ。今季2勝目をマーク。前回パーフェクト優勝の平田が2位、新井が3位で表彰台を獲得。井上が4位、尾崎が5位。スタート直後に転倒に巻き込まれ最後尾からスタートした勝谷武史が6位までポジションを上げてフィニッシュした。

 第2ヒートは尾崎のホールショットでレースがスタート。小島が2番手、以下、須田 純、中村真悟、井上、渡辺 学が続き1周目のコントロールラインを通過。平田は1コーナーでクラッシュに巻き込まれ、その際、他車とマシンが絡んで再スタートに大きく手間取り遥か後方からの追い上げを強いられる。レースは7周目まで尾崎がトップをリード、小島を挟んで渡辺が3番手に浮上するが、8周目尾崎がミスを犯し3番手に後退。後半は小島が渡辺、尾崎の追撃を抑え逃げる展開となるが、1周目18番手のポジションから猛烈な勢いで追い上げてきた勝谷がトップ争いに追いつくと、尾崎、渡辺を一気にパスし2番手に浮上。なおも勢いの止まらない勝谷は17周目、ついに小島も抜き去ってトップを奪うとそのまま逃げきり大逆転の末に今季初優勝を飾る。2位は小島。渡辺と尾崎の3位争いは、18周目に渡辺がコースアウトでポジションを下げ尾崎が3位表彰台を獲得。ほぼ最後尾からの追い上げで一旦12位までポジションを回復した平田は、他車と接触転倒で再びポジションを落とすなど、結局7位でフィニッシュした。


 
  

 

落ち着いたレース運びで
クラス3連勝を飾った岡田 涼

IB OPEN    
 
 今回からマシンを2スト250にスイッチした田中雅己がホールショットを決め前半をリード。1周目は上田康平、吉原京右、矢山翔太、岡田 涼の順ごコントロールラインを通過。2周目、3番手に浮上した岡田は、4周目に2番手に浮上。逃げる田中を岡田が追う展開は、後半疲れが出てペースの上がらない田中を捉えた岡田が9周目逆転に成功。開幕SUGO、第2戦近畿とこのクラスで連勝を飾っている岡田は、後半さらにリードを広げ3連勝をマーク。2位は田中。1周目17番手から追い上げてきた大薮亮人が、ラスト三原拓也の追撃を抑え3位表彰台を獲得した。

 「IB2ではチームメイトに表彰台を奪われてしまったので、絶対に負けられないと思った。」と岡田。「将来のことを考え、大きいマシンでスピードアップしようと2ストに乗り換えたが、荒れた路面に付いて行けず、後半はスタミナを使い切ってしまった。」と田中はコメントした。

 

 

レース復帰後初の優勝を飾った
元国際A級のベテラン大薮亮人

IB2    
 
 ホールショットを決め1周目トップで戻ってきた大薮亮人に続き、三原拓也、富田俊樹の順で1周目のコントロールラインを通過。2周目、いきなりスパートした富田が一気に2台をパスしトップに浮上するが、再びペースを上げて富田に追いついた大薮がジャンプで並びかけコーナーで富田のインに入ると、富田はミスを犯して3番手に後退。再びトップ立った大薮に対し、その後方では三原と、富田が2番手争いを繰り広げるが、富田はジャンプの着地で大クラッシュしたそのままリタイアとなる。これで楽になった大薮は、最後までペースを崩さず走りきり優勝。三原が2位。芹沢翔悟との3位争いに競り勝った井上洋昭が3位表彰台を獲得した。

 国際A級昇格を果たしたものの、ケガなどでレース活動を休止し、今シーズン7年ぶりに国際B級に降格してレース復帰した大薮は、「スタートさえ決まれば勝つ自信はあったが、さすがに後半は疲れました。もう一度来られたらヤバイかったですね。1回目は自分のミスで抜かれたけど、向こうもミスしてくれたから勝てたんだと思う。しばらくレースから離れていたが、やっぱりモトクロスは楽しいですね。」とコメント。2位に甘んじた井上は、「転倒してレバーを曲げてしまい、変な握り方をしていたら腕が上がってしまいました。それがなければ勝負できたと思うんで悔しいです。」とコメントした。


 

 

最後まで攻め続け、ラストラップ
での逆転勝利を修めた鈴木沙耶

レディース
  
 得意のスタートでホールショットを決めた沖幸子がトップ、萩原真理子が2番手、益春菜が3番手、西村美美、金城さやかに続き鈴木沙耶は6番手で1周目のコントロールラインを通過。一気に勝負をしかけた沖が逃げきりを図るが、2周目に3番手、3周目に2番手と確実にポジションを上げてきた鈴木は、15分+1周のレース時間をフルに使って沖との差を詰めると、ラスト2周、ついに沖の背後を捉え逆転に成功。ラストラップ沖も反撃に転じるが、周遅れを上手く交わしてトップを奪った鈴木が逃げ切って開幕3連勝をマーク。沖が2位、自らのミスで一旦4番手までポジションを落した萩原が、再び追い上げて3位表彰台を獲得した。


 「散水でコースが滑りやすく、それで序盤苦戦してしまった。とにかく夢中で、どこで誰を抜いたのか覚えてません。」と鈴木。「パッシングが下手なので、逃げ切れませんでした。」と沖はコメントした。

 


プロライダーになりたいと夢を語る
Aクラス優勝の横山遥希クン

レディース
  
 AB両クラス合わせて40台が出場したチャイルドクラス。レースはKTMでBクラスにエントリーする松本直人がホールショットを決めてリード。Aクラスの横山遥希がこれを追って周回を重ねる。ショートカットコースでたちまち周遅れが出るなか、上手く周遅れをかわして走り続けた松本が優勝。横山が2位でAクラスの優勝を飾った。


 「好きなライダーは星野優位選手。将来はプロのモトクロスライダーになりたい。好きな科目は算数だけど、土日の宿題はまだやっていません。」と横山クン。一方、大勢の観客が見守る中、堂々たる走りを見せBクラス優勝を飾った松本クンには、ディズニーランドパスポートチケットが副賞として渡され、こちらもニコニコだった。

 


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