写真&レポート

↑戻る

スタートから逃げる得意のパターンで
パーフェクト優勝を達成した成田 亮

コースサイドからの大声援を受て
両ヒート勝つことができたと成田

IA1

 全日本モトクロス選手権第2戦は、ここ数年間、シーズン開幕の舞台として定着していた奈良県の名阪スポーツランドで開催された。全体がサンド質で、ハイスピードかつテクニカルなレイアウトが特徴のコース。大会期間中は、予選の土曜日こそ強風に悩まされたが、決勝の日曜日は穏やかなレース観戦日和に恵まれ、公式発表で16,866人の観客が詰めかけた。

 IA1第1ヒート、好スタートを決めたのはディフェンディングチャンピオンの小池田猛、出原 忍、福留善秀、成田 亮ら。1周目、出原が小池田をパス。成田は福留をパスし、出原、小池田、成田、福留、溝口哲也、中村友則、釘村太一の順に1周目のコントロールラインを通過。ヤマハ3台をライバルメーカーが追う展開は、成田が序盤に小池田、出原をパスしトップに浮上。トップ争いの混戦を抜け出した成田が徐々にリードを広げる一方、2位、3位争いは福留が一旦は3番手に下がった出原をパスしヤマハ勢の中に割って入るが、直後に福留は転倒を喫しポジションを落してしまう。

 前半はトップ成田に小池田が食い下がるが、後半に入ると徐々に両者の差は広がり始め、成田が得意の逃げきり態勢に持ち込む。
 その後方では、福留に続き溝口、中村がポジションを下げ、代わって増田一将、熱田孝高がポジションアップ。終盤、3番手をキープしていた出原に追いついた増田と熱田は、立て続けに出原をパスしヤマハ1-2-3の一角を崩すと、終盤、今度は熱田がチームメイトの増田をパス。
 しかし、この時点はトップ成田と単独走行を続ける小池田とはかなりの差があり、結局序盤から安定した走りで逃げ切った成田が優勝。2位小池田に続き熱田が3位で表彰台の一角を手に入れた。

 最終レースとして行われたIA1第2ヒート。好スタートを決めたのは福留、高濱龍一郎、成田、大河原功次らで、今度はホンダが先行しヤマハが追う展開となる。1周目、一気に勝負をしかけた成田が立て続けに高濱、福留をパスしトップに浮上。第1ヒートはスタート直後の転倒に巻き込まれ、最後尾からの追い上げを強いられた高濱が福留をパスし成田に続き2番手で1周目のコントロールラインを通過。福留、大河原、熱田、平塚雅樹、増田がこれに続く。
 2番手高濱を後ろに従えて快調にラップを刻む成田は、後半、追いすがる高濱を徐々に置き去りにし独走態勢に。結局成田は危なげない走りでこのヒートも制しパーフェクト優勝を達成。後続では高濱が単独2番手を走行していたが、終盤、熱田、増田、小池田による3位争いの集団が高濱に急接近。高濱がこれに飲み込まれる形で一旦は熱田が高濱の前に出るが、直後にミスをした熱田を高濱が抜き返し、ラストスパートをかけた高濱がなんとか熱田の追撃を振り切り2位でフィニッシュ。熱田がこのヒートも3位表彰台を獲得した。

 「大勢のお客さんに応援してもらって、変な走りはできませんでした。」と成田。熱田は「予選のクラッシュで肩を痛め、こんな状況で表彰台に立てるなんて奇跡。これからも面白いレースを見せます。」とコメントしている。

 



 

ようやく手にしたIA初優勝の喜びを
担当メカニックと分かち合う平田 優

アグレッシブな攻めの走りで
H1に続きH2も制覇した平田

IA2

 一方、開幕戦SUGO大会でパーフェクト優勝を飾った小島庸平は、予選レース中にマシントラブルでストップしてしまい、シード権で決勝出場こそ果たせたものの2列目スタートのハンデを背負わされる。必至に挽回を図った小島だが、追い上げては転倒に巻き込まれてポジションを下げるというパターンを繰り返し、10-12位の総合12位という不本意な結果に終わっている。

 第1ヒート、ホールショットを決めたのは開幕戦第1ヒートでA級初優勝を飾った新井宏彰。井上眞一、平田 優、須田 純がこれに続きカワサキが上位を独占する形でレースがスタート。尾崎友哉がこれに続く。2周目、平田がまず井上をパスし2番手に浮上。続く3周目、このコースを得意とする平田は新井をパスしトップに浮上。後方では、1周目7番手で戻ってきた勝谷武史がポジションを上げ、後半、まず井上をパスしリードを続けていたカワサキ勢の間に割ってはいると、2番手を走っていた新井もパスし2番手に浮上。
  しかし、このときすでに平田は大量リードを築いており、最後まで自分のペースを保って走りきった平田が念願のIA初優勝をマーク。勝谷が2位。終盤ペースの落ちた新井は、尾崎にも抜かれ4位に後退。代わって尾崎が3位表彰台を獲得した。

第2ヒート、ヒート1の優勝でペースをつかんだ平田がホールショットを決めると、平田のチームメイト加藤吏一、須田がこれに続きまたもカワサキがスタートから上位を独占。ハイペースで周回を重ねる平田がリードを広げる一方。須田はマシンに不調を来しコース上にストップ。代わって深田卓哉が3番手に浮上するが、ここに追いついた勝谷が深田をパスすると、2番手をキープしていた加藤にも襲いかかり逆転。
  終盤勝谷は、トップを独走していた平田との差を詰めるが、このレースも序半に築いたリードに守られた平田が余裕を持って逃げきり、平田がパーフェクト優勝を達成。勝谷はこのレースも2位でフィニッシュ。また、深田、尾崎、新井による3位争いは、最後のスタミナ勝負に勝った尾崎が抜け出し、ヒート1に続き3位表彰台を手に入れた。


 
  

 

病で亡くなった仲間のプレートを胸に
モトクロスを続けると誓った岡田 涼

IB OPEN    
 
 ホールショットを決めた田中雅己が序盤をリードするが、1周目2番手に浮上して来た富田俊樹が3周目に田中をパスしトップに浮上。しかし中盤、再びペースを上げた田中が富田を抜き返し、そこに岡田 涼が追いついて大混戦となったトップ争いは、富田が1コーナーでスリップダウンを喫してポジションダウン。これで田中と岡田に絞られた優勝争いは、疲れの見え始めた田中を岡田がパスすると、そのまま岡田が逃げきり開幕戦に続いてクラス2連勝をマーク。2位田中、冨田健二が3位で初の表彰台を獲得。IB2を制した富田俊樹は4位でフィニッシュした。


 IB2と同じ4スト250ccマシンでエントリーするライダーが大半を占める中、450ccマシンで戦う岡田は、「重い分コントロールするのは大変だけど、こういうパワーを食うコースでは有利。」とコメント。破れた田中は「最後もう一度勝負に行きたかったけど、自分には力強さが足りなかった。IB2も2位で両方表彰台に立てたけど、納得はしていません。」とコメントした。

 

 

1周目から一気に勝負をしかけ
初優勝を手に入れた富田 俊樹

IB2    
 
 好スタートを決めたのは、冨田健二、田中雅己、松尾晃一、飯沼泰裕、富田俊樹。5台によるスタート直後のトップ争いは、序盤から一気にスパートした富田俊樹が1周目あっと言う間にトップに躍り出ると、その勢いをキープし徐々にリードを広げる。後半、週遅れが出てもペースを落とさなかった富田が、結局1周目から1度もトップを譲らぬまま逃げきり初優勝をマーク。最後まで諦めず必至で富田を追った田中が単独2位。中段から追い上げてきた大薮亮人と岡田 涼、富田健二による後続のバトルは、最後競り勝った大薮が3位表彰台を獲得した。


 「スタート遅れて全力で飛ばした。」と富田。2位の田中は「なんとか追いつきたかったけど、後半自分もタレてしまった。でも、前回のSUGOが全然ダメだったので、とりあえず表彰台に立てて嬉しい。」とコメントした。


 

 

転倒による絶体絶命のピンチから
見事な逆転優勝を飾った鈴木沙耶

レディース
  
 今シーズンからレース時間が15分+1周と5分間延長されたレディスクラス。好スタートを決めたのは地元の金城さやか。沖幸子、益春菜、安原さや、鈴木沙耶がこれに続き、1周目は沖、益、鈴木、萩原真理子、金城、安原の順でコントロールラインを通過。沖を先頭としったトップ争いのバトルは、鈴木が後続に追突され転倒。しかし再スタート後、ハイペースで追い上げた鈴木は、終盤、益にトップを譲った沖、トップを走っていた益の2台になんとか追いつくと、一気に2台をパス。


 「転倒して再スタートしたときはトップが見えなくなっていて、もう絶対ダメだと思った。夢中で走ったので、どこで前に出たのかも全然覚えてません。」と言うほど必至で攻めた鈴木が見事な逆転で2連勝。「上手く乗れなくて残念。次に向けて頑張るしかない。」とコメントした益が2位、「自分の走りが足りてないので、負けても仕方がない。次はもっとビシッと走ります。」という沖が3位表彰台を獲得した。
 


家族や友達の応援を受けながら
元気にコースを走るキッズたち

レディース
  
 昼休みのエキシビションながら、地元奈良や大坂、兵庫、静岡などから37台という多数のエントリーを集めたチャイルドクラス。出場マシンの仕様によりAB2クラスに分けての混走レースは、コースを大幅にショートカットして10分+1周で争われた。


 ヘッドタッチスタートによる一斉スタートで、36台が1コーナーに向けて発進。ジャンプの着地などでは転倒するライダーも見られたが、1周40秒ほどのコースで遅い子は何度もラップされるために、どこにトップがいるかわからないような状況となったが、結局最多の16周を走りきった水川稔基クンと大石伊織クンが、ABそれぞれのクラスで優勝。Aクラスでは青島 蓮クンが2位、竹内優菜ちゃんが3位。Bクラスは水川君に続き、川嶋 凪クン、山梨裕希クンが3位で表彰台に登った。
 「毎日練習してる。将来はワールドチャンピオンになるのが目標。全日本のコースはすごく面白かったです。」と水川クン。参加ライダーはもちろん、応援する家族や友達など参加者全員が、全日本という晴れ舞台でのレースを満喫していた。

 


Copyright 2005 Motorcycle Federation of Japan All Rights Reaserved.

サイトマップ

|

TOPページへ戻る