写真&レポート
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05シリーズチャンピオンを
決定した黒山健一
2位の野崎史高
3位の小川友幸
国際A級スーパークラス
10月16日(日)。全日本トライアル選手権シリーズ第7戦中部大会は、愛知県岡崎市須渕町の『キョウセイドライバーランド』で開催された。ここで全日本選手権が開催されるのは16年ぶりのこと。セクションは比較的難度が高く長めに設定されている。セクションの制限時間は60秒だから、スピーディーに走りきらなければならない。前日の晩に降った雨がセクションを悪化させ、特に1ラップ目はかなりグリップが悪い。

高低差と大きな岩盤と岩。恵まれた地形を生かした見応えあるセクションに加え、国際A級スーパークラスのみにSS(スペシャルステージ)として3セクションを用意、2ラップ終了後にもう3セクションを走る試みがなされた。観客の見やすい場所で特設の難セクションで勝負を決めようという試みだ。

前の晩の雨が乾かぬ1ラップ目。第1セクションは比較的イージーセクション。スーパークラスは全員ここをクリーンで抜ける。続く第2セクションは急斜面をいくつかの岩を乗り越えながら登っていくもの。湿った土が実によく滑り、ちょっとミスするとマシンがストップしてしまう。黒山はここで意外なミスでベタ足の3点をとったが、その後はミスなくクリーンを続けていった。世界選手権参戦から帰国した野崎史高が、今年の全日本開幕戦以来の参戦で優勝争いに加わった。野崎は大きなミスもせずセクションを淡々とこなしてゆく。

3クラス混走のため、1ラップ目の中盤からセクション渋滞が発生していた。5時間の持ち時間のうち1ラップ目を3時間30分以内で消化しなければならないが、黒山が第8セクションをトライした時点で、黒山の1ラップ目の残り時間は20程しかない。スーパークラスの選手達は第13セクションまでほとんど下見時間がないままトライし続けた。そのため、スーパークラスのほとんどは1ラップ目にタイムペナルティーを受けることになった。

2ラップ目に入る頃には、セクションは乾きグリップが回復し減点数も減少傾向である。とはいえ今大会は実に難度が高く油断はできない。一週間前に右手を強打し痛みがとれていないという黒山は、それでも集中力を維持し気迫のトライを続け、2ラップ目はなんとたった1点という減点で終了した。このパフォーマンスは観客を、そしてセクション難度を思い切って上げたという主催者を唸らせた。黒山を追う野崎は第3セクションで5点をとるミスをおかしたものの2ラップ目は減点6で消化、そして小川は減点8で上位との差を詰める勢いだ。実にレベルの高い戦いである。

さて、スーパークラスは5時間2ラップを終えてゴールすると、そのあと20分以内に、いよいよSSにトライである。SSが始まる午後2時30分頃には、この会場に集まった2,500人の観客が、さらに難度を高めたSSの3セクションを取り囲んでいた。1つめのセクションは小川友幸が見事なライディングで1点で抜けた以外全員が5点。2つめのセクションは野崎が2点で抜けたのが最高で、小川と田中が3点、それ以外はみな5点である。

SSの3つ目は、急斜面の頂上にそそりたった巨大岩。ここが今大会のクライマックスとなった。頂上で野崎がサオ立ちになり激しく落下。黒山はスピードが足らずに登り切れず5点。そして小川は1点だ。ここをクリーンしたのは田中太一と渋谷勲。スーパークラスのパフォーマンスに感激したギャラリーの拍手は鳴りやまなかった。

SSを終えた黒山は合計22点で優勝する。黒山に迫った野崎は合計27点で2位。2ラップ目とSSで追い上げた小川が合計36点で3位に。4位は46点の田中太一、5位は47点の渋谷勲と続いた。 黒山の今日の結果で、最終戦を前にシリーズチャンピオンを確定した。

【優勝した黒山健一のコメント】

「一週間前に練習中に右手の骨を強打していて、その痛さであまり無理ができなかったんです。1ラップ目からずっと野崎選手と接戦だったのでプレッシャーはありましたね。最終戦の前にチャンピオンを確定できたのでとりあえずホッとしてますが、ここまできたら全戦全勝しかありません。がんばります」


優勝した白神孝之
国際A級
13セクション2ラップで行われた国際A級クラス。成長株の坂田匠太は2位となり、坂田に10点差をつけたのは今季2勝目になる白神孝之だ。今回は何のプレッシャーもなく楽しくのびのびと走れたのが好結果につながったと語る。

前戦までランキング2位だった小森が9位と乱れた。ベテランの三谷英明は坂田に1点差で3位になった。残る1戦でランキング争いはどうなるだろうか。ランキングトップの三谷と2位の坂田とのポイント差は、7点である。

【優勝した白神孝之のコメント】

「今年は全戦出られないので、プレッシャーもなくのびのびと走ってます。競技中も特にまわりの選手の点数を意識することもなかったですね。それが良かったのかもしれません。体力が落ちてる僕としては2ラップだけだったのが有利でした。3ラップの長い競技では最後に疲れてしまうんですよ。最終戦は出場できないので、今年最後の大会で優勝できてとても嬉しいです」
 

優勝の辻真太郎
国際B級
高橋由(スコルパ)と辻真太郎(ホンダ)のトップ争い、今回は辻が優勝し、高橋が3位となった。2位の森岡は初の上位入賞だ。ポイントランキングでは辻が2点リードでトップに立った。

【優勝した辻真太郎のコメント】

「1ラップ目はまだセクションが乾かず、難しくて失点が悪かったです。後半にセクションが乾いてくるにしたがい自分の調子も上がってきました。ランキングトップにいるので、次の最終戦はチャンピオン獲得のため優勝しかありませんね。がんばります」

 


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