全日本モトクロス選手権シリーズ第8戦近畿大会は、奈良県山辺郡山添村の名阪スポーツランドで開催された。春の開幕戦に続きシーズン2開催が定着した感のあるここ名阪スポーツランドでの近畿大会。迎えた秋の大会は、好天に恵まれた土曜日が残暑の中での予選、日曜日は接近する台風の影響で雨が心配されたが、幸い小雨がぱらついた程度に止まり比較的涼しいコンディションの中で決勝が行われた。 会場は、名古屋大阪から共に約2時間の距離で都市部からのアクセスもよく、また夏のインターバルを挟んで再開されたシーズンは各クラス共にタイトル争いの佳境を迎えるとあって、主催者発表で14,980人もの観客が訪れた。 出走30台で行われたIA1クラス。第1ヒートのスタートでホールショットを決めたのは出原 忍。小池田猛、釘村太一、大河原功次、高濱龍一郎、辻健二郎、小島太久磨がこれに続き、ヤマハ勢の中にホンダの高濱と辻が割ってはいる形でレースがスタート。前半は出原がリードを保つが、中盤出原、釘村が転倒でポジションを下げ、代わって小池田が後半のリーダーとなる。しかし終盤、出原、釘村の脱落で2番手を走っていた大河原を捉えた高濱がペースアップを図り、疲れの見え始めた小池田との距離を詰めトップ争いへと持ち込む。ラスト2周、勝負をしかけた高濱は、コーナーで小池田のインを突くクロスラインで小池田をパス。ラインを塞がれた小池田はバランスを崩して転倒し、一気に差を広げた高濱が逃げきって今季4勝目をマークした。転倒後すぐに態勢を建て直して再スタートした小池田が2位でフィニッシュ。後続では小島が大河原、辻、戸田とのバトルを制して3位表彰台を獲得した。 第2ヒートは大河原、高濱、戸田がスタートの混戦を抜け出し、一気に勝負に出た高濱がトップ、大河原、戸田、小島、田島
久、出原、小方 誠がこれに続いて1周目のコントロールラインを通過。ハイペースで周回を重ねる高濱がそのまま逃げ切るかと思われたが、最終レースで荒れたコースをさらにアグレッシブに攻めたてた高濱が単独転倒。この間、戸田、大河原をパスし2番手グループの混戦を抜け出してきた出原に突如トップに突如トップの座が転がり込む形となる。レースの終盤を確実に走り切った出原は、ラスト戸田の接近を許したものの確実に押さえ込みフィニッシュしクラス初優勝を飾る。2位は戸田、小島はこのヒートも3位で今大会の総合優勝を獲得した。ポイントランキングの争いは、このヒート8位で総合6位となったトップの小池田に対し、ランキング2番手に付けていた増田一将は両ヒートともスタートに失敗、追い上げの途中に転倒を喫するなど精彩を欠いたため、小池田がさらにリードを広げる結果となっている。
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第2ヒートは中堀敏宏のホールショットでレースがスタート。しかし中堀はすぐにミスで後退。代わって小島がトップに立ち、福留、平田、北居、新井の順で1周目のコントロールラインを通過。しかし2周目、福留が小島をパスしトップに浮上。平田はまたしてもミスで後退し、レースは逃げる福留を小島、北居が追う展開となる。中盤に入ると小島のペースが落ち、北居が小島とポジションを入れ換え2番手に浮上。終盤に入るとさらに攻め続けた北居と福留との差は見る見る縮まりトップ争いは両者の一騎討ちに。しかし周回遅れが出始めたこともあってあと一歩攻めきれない北居に対し、福留も意地を見せて最後まで力走を続け、結局逃げ切った福留が今季5勝目をマーク。2位は北居。小島は3位。溝口哲也がけがで今大会を欠場したため、ランキング2番手に付けていた小島が溝口に追いつきポイントランキングの同点首位に並ぶ結果となった。
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有効ポイント制でタイトルが争われる国際B級だが、現時点での暫定ポイントでは西山がトップ。僅差で片倉が追う展開となっている。
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「いきなり転倒して、追い上げのレースとなりキツかった。でも夏の間しっかりとトレーニングしてきたので、その成果が出せたと思う。」と斉木。「ラスト2周、さぁ行くぞと思った瞬間転倒してしまいました。」と2位の黒沢。3位の津山は「地元でやっと表彰台に立つことができました。」とコメントした。
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なお、6戦の有効ポイント制で争われるタイトルは、鈴木沙耶がこれで5勝をマーク。残りレースを落してもライバルが逆転できる可能性は低く、事実上鈴木沙耶のチャンピオンが決定した。
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