全日本モトクロス選手権シリーズ第7戦東北大会は、岩手県東磐井郡藤沢町の藤沢スポーツランドで開催された。毎年梅雨明け時期に行われる東北大会。今年は梅雨が長引いたものの、大会期間中は好天に恵まれ、真夏を思わせるような強い日差しが照りつけるなかレースが行われた。会場の藤沢スポーツランドは、今年も最高のコンディションが用意され、土日合わせて1万人のファンがレースを楽しんだ。 出走30台で行われたIA1クラス。第1ヒートのスタートでホールショットを決めたのは大河原功次。高濱龍一郎、小島太久磨、小池田猛、加賀真一、辻健二郎、増田一将がこれに続いて1周目のコントロールラインを通過。2周目、辻が転倒して後退。序盤、大河原を抜きあぐねていた高濱を加賀がパスし2番手に浮上。高濱は増田にも抜かれポジションを下げる。大河原、加賀に代わったトップ争いの様子を3番手の増田が見守る形で数周が経過したが、3番手の増田はエンストで後退。直後、加賀が大河原をパスしトップに躍り出ると、今度は大河原が転倒。後続では高濱も転倒を喫してポジションを下げる。ライバルが次々脱落していくなか、秋田出身で地元の加賀はマイペースで走りきり、2番手の小池田、追い上げてきた増田を従えてフィニッシュ、今季2勝目をマークした。小池田が2位、増田が3位、辻、小島、戸田蔵人、出原 忍がこれに続き、序盤トップを走った大河原は9位でフィニッシュした。 第2ヒート、平塚雅樹のホールショットでレースはスタート。直後の混戦で順位が大きく入れ代わり、1周目は高濱がトップ、加賀が2番手、増田が3番手、大河原4番手でコントロールラインを通過。2周目、加賀が1コーナーのアウトから高濱をパスしトップに浮上。直後高濱は転倒でポジションを下げる。序盤は加賀を先頭に増田、大河原の3台がトップグループを形成。中盤、増田に詰め寄られた加賀は、一旦増田を前に出そうとしてラインを変えたところ、ワダチでバランスを崩し転倒。後半、2位の大河原をじりじりと突き放した増田は独走態勢へ。2番手大河原の後方では、小池田が単独3番手を走行。終盤、その小池田が転倒し辻が3番手に浮上するが、辻も転倒でポジションを下げ、増田、大河原に続き戸田が3位でフィニッシュ、表彰台の一角を手に入れた。
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第2ヒート、小島と福留が真横に並んで1コーナーをターン。次の左コーナーでは福留が強引に小島のインに割ってはいるが、小島も福留を抜き返し、小島、福留、北居、溝口の順で1周目を通過。序盤から一気にスパートした小島は、2番手以降との差を広げ独走態勢を築くが、後方では北居が福留をパスし2番手に浮上。後半、疲れの見え始めた小島に対し、北居は徐々に差を詰めて接近。後半、ついに小島を捉えた北居がトップを奪うが、直後、北居はテーブルトップジャンプでバランスを崩し転倒、そのままリタイアとなる。レースは北居の転倒で再びトップに立った小島が、暑さで完全に体力を消耗しながらもフィニッシュまで踏ん張り嬉しい初優勝をマーク。後半ペースが落ちた福留をパスし溝口が2位。福留は3位、平田が4位でフィニッシュした。 初優勝を飾った小島は「溝口選手や福留選手というトップライダーに挟まれて表彰台の1番高いところに立てるなんて信じられないくらい嬉しい。チームメイトの北居君の方が速かったが、負けたくなかった。まさか勝てるとは思ってなかったが、でも気持ちだけは勝つ気で走りました。」とコメントした。 |
「スタミナも切れかかっていてバトルするのは辛かったので最後に勝負しようと思っていた。」という片倉は、ラスト2周の最終コーナーで谷本を捉え一気にパスすると、ラストスパートをかけて最終ラップに突入。レースは必死で追う谷本を振り切った片倉が優勝。2位谷本、単独3番手を走っていた前田祐希が3位でフィニッシュした。
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「混戦を抜け出たときに行けると思った。弟は公式練習で手首を痛めて出るかどうか迷うような状態だったから、負けるわけにはいきませんでした。」と兄の昇平。弟の和都は「スタートで前に出れたので助かった。手に力が入らなくて何度もハンドルから手が離れそうになりました。あれが精一杯でした。」とコメントした。
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レースは後半、トップの鈴木を益が追う展開となるが、コーナー一つ分のリードを築いた鈴木が益の接近を許さず、そのまま逃げきって優勝。ケガのため戦列を離れていた益が復帰レースで2位表彰台を獲得。奥野と森居の3位争いは、スパートをかけた奥野が3位、森居が4位でフィニッシュした。 レース後、2位の益は「大分調子は良くなってきました。次の名阪までに更に練習して、次は沙耶ちゃんに勝てるように頑張ります。」とコメントしている。
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