写真&レポート

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第1ヒートで今季2勝目をマーク。
ランク首位に返り咲いた小池田 猛

ヒート1の2位に続き、第2ヒートで
今シーズン初優勝を飾った加賀真一

IA1

 全日本モトクロス選手権シリーズ第5戦九州大会は、熊本県菊池郡大津町のHSR九州で開催された。背後に阿蘇の山並みを望む雄大なロケーションの中にあるコースは、ハイスピードジャンプとコンビネーションジャンプやフープスを組み合わせたトリッキーなレイアウトが特徴。九州のモーターサイクルスポーツの中心的な役割を担う同会場は、今大会に合わせて新たに大量の土を搬入した他、コースの後半部分をよりテクニカルなレイアウトとし、年に1度の大会に備える。また、大会期間中は好天に恵まれ、決勝日は快晴。真夏のような強い日差しに気温も30度を超えたが、湿度が少なく適度な風も吹いたために、絶好のモトクロス観戦日和となり1万3千500人のファンがスリリングなバトルを楽しんだ。
 

 出走23台で行われたIA1クラス。注目のスタートは釘村太一が真っ先に1コーナーに飛び込むが、立ち上がりはイン側を回った戸田蔵人が前。しかし再び釘村が戸田をパスし、オープニングラップは釘村、戸田、小島太久磨、増田一将、小池田猛、加賀真一の順で1周目のコントロールラインを通過する。中盤、小島は戸田、釘村をパスしトップに浮上。小池田が3番手に浮上しヤマハが1-2-3体制を整える。中盤、ここまで上位2台の様子を伺っていた小池田がスパートし釘村、小島をパスしトップに浮上。終盤、今度はスズキの加賀がトップ争いに追いつくと、小島、釘村を立て続けにパス。この間リードを広げた小池田がそのまま逃げきって今季2勝目をマーク。ヤマハ勢の間に割って入った加賀が2位。釘村は3位、小島は4位でフィニッシュした。
 
  続く第2ヒート、またも釘村の好スタートでレースはスタート。しかし1周目、2番手に付けていた加賀が釘村をパスしトップに浮上する。小島、釘村、小池田、高濱、増田が加賀に続き1周目のコントロールラインを通過。序盤、2番手の小島が加賀に接近するが、加賀もペースを上げて応戦。中盤以降、ペースが落ち始めた小島に対し、安定したペースで周回を重ねる加賀は、徐々に後続とのリードを広げ始め、独走態勢へと持ち込む。結局加賀は1周目から1度もトップを譲らぬまま逃げきって今シーズン初優勝。小島が自己ベストの2位でフィニッシュ、小池田は3位。この結果加賀が今大会の総合優勝を獲得。辻、増田らが転倒で苦戦を強いられたため、両ヒート表彰台を獲得した小池田が、暫定ポイントランキングのトップに返り咲いている。
 
 
 

ライバルを振り切って今季2度目の
パーフェクト優勝を飾った溝口哲也

シーズン前半戦で早くも5勝を上げ
ランキングもトップを独走する溝口

IA2

 第1ヒートは、スタートに絶対の自信を持つ溝口哲也のホールショットでレースがスタート。2番手には平田 優がつけるが、平田は最終コーナーで転倒、最後尾までポジションを下げてしまう。1周目、溝口の後方には小島庸平、福留善秀、深谷広一、大藪隼人らが続きコントロールラインを通過。3周目、福留が小島をパスし2番手に浮上。続く4周目、4番手を走っていた深谷が小島をパスし3番手に浮上するが、深谷は直後に転倒、リタイアとなる。
 
 4位以下を引き離した上位3台は、溝口が徐々にリードを広げ福留がこれを追う形となるが、福留はラスト2周に自らのミスでストップし、単独3番手を走行していた小島が再び2位に浮上。結局、ハイペースで周回を重ねた溝口がスタートから1度もトップを譲ることなくトップを守りきって優勝。2位小島。関東大会のケガからで欠場が続き、今大会から戦列に復帰した福留は3位でフィニッシュし、復帰戦を表彰台で飾った。
 
 第2ヒート、加藤吏一が先輩の溝口哲也、小島庸平を押さえホールショット。1周目、小島が加藤をパスしトップに浮上。2番手で1周目を戻ってきた加藤は、2周目の1コーナーで転倒、大きくポジションを落とす。代わって2番手には溝口が浮上。深谷、福留、大藪、島崎大祐らがこれに続く。
 
 序盤からスパートした小島に対し、その様子を伺っていた溝口は、中盤小島のペースが落ち始めると9周目に勝負に出てトップを奪取。溝口はそのままハイペースを維持し、最後は独走でチェッカーを受け、2戦連続のパーフェクト優勝を達成。小島が2位。数日前にようやく乗り始めたという福留が地元で意地を見せ、このヒートも3位でフィニッシュした。
 
 この結果、暫定ポイントランキングでは溝口がトップをキープ。小島が10ポイント差で溝口を追う展開となっている。

  

 

ライバルのミスにも助けられ
念願の初優勝を飾った片倉久斗

IB OPEN   
 ホールショットを決めたのは片倉久斗。西山 翌、前田祐希、太田 満、矢山翔太、矢野昇平がこれに続き1周目のコントロールラインを通過。逃げる片倉に対し、ハイペースで追い上げてきたのが矢野。矢野は周回毎にポジションを上げると、9周目ついに片倉を捉えるとこれをパス。さらにリードを広げようとした矢野だったが、10周目の1コーナー進入でラインを外しスリップダウン、3番手までポジションを落とす。これで再びトップに返り咲いた片倉が再逆転でクラス初優勝をマーク。矢野に抜かれた後も3番手をキープしていた西山が2位。矢野は3位でフィニッシュした。
 
 「トップを走っていて転倒とかそんなのばっかりで、いつもあと一歩のところで勝てなかった。今回は矢野君が転倒してくれて助かった。やっと勝てて嬉しいです。」と片倉。一方の矢野は「ようやくトップに追いついて逆転できたのに、あと一歩のところでラインを外して転倒してしまった。すごく残念。まだまだ体力がないので、最後まで攻めきれるように練習します。」とコメントした。

 
 

 

ライバルが脱落する中、しぶとく
走りきり、初優勝を飾った黒澤良太

IB2   
 トリッキーなHSR九州のコースは、全周に渡って鋭角なコーナー、スピードを落とすジャンプが連続するためパッシングポイントが少なく、どうしても無理を強いられる。そのため、どのクラスも転倒者が多くイエローフラッグが目立つ大会となった。このクラスでも転倒者が続出。スタートは片倉久斗がホールショットを奪うが、片倉と2番手に付けた斉木達也や1周目に接触しコースアウト。両者とも大きくポジションを落してしまう。代わってトップに立ったのが黒澤良太。1周目をトップで戻ってきた黒澤の後ろには斉藤 嵩、谷本功志、井上洋昭が続くが、斉藤、谷本は後方から追い上げてきた井上にパスされポジションダウン。レースは2番手に浮上後、執拗に食い下がる井上を黒澤が振り切って初優勝をマーク。地元熊本の井上が2位。斉藤が3位でフィニッシュした。
 
 レース後黒澤は「スタートは5〜6番手で、目の前で片倉君と斉木君が転んだので、チャンスだなと思いました。後ろに付かれて焦りましたが、なんとか逃げきることが出来ました。」とコメントした。

 

 

スタートを決めて今季2勝目をマーク
IBでも初ポイントを獲得した鈴木沙耶

レディース
  
 今シーズン絶好調の沖幸子のホールショットでレースがスタート。しかし1周目のフープスで沖が転倒。一気に5番手にポジションを落してしまう。この隙に鈴木沙耶がトップに浮上。根本めぐみ、金城さやか、奥野歩希がこれに続き1周目のコントロールラインを通過。レースは鈴木がリードを保ったまま走りきり、沖と並ぶ今シーズン2勝目をマーク。根本が2位。2周目に金城をパスした奥野が3位で表彰台を獲得。沖は再スタート後4番手までポジションを上げるが、ラストラップに再び転倒して13位でフィニッシュした。
 
 「スタートさえ決まれば勝てる自信はありました。沖さんには付いて行けたので様子を見ていたら、沖さんが転倒してしまって。あとはもう自分のペースで走りきるだけでした。今回、IB2でも予選通過できて、決勝のタイムは1番遅かったけど、初めてポイントを獲得できた。レディスクラスも今回の調子で後半戦頑張って行きたいです。」と鈴木沙耶。一方の沖は「2度目の転倒は、行けると思ってジャンプを飛んだら着地で柔らかいギャップにはまってしまったんです。攻めていての転倒だけど、悪い自分らしさが出てしまいましたね。精進して、後半戦もまた優勝できるように頑張ります。」とコメントした。
  
  
 


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