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写真&レポート

2017全日本エンデューロ選手権シリーズ第3戦
日高ツーデイズエンデューロ

 全6ラウンド、4大会で戦われる全日本エンデューロ選手権も、はやくも折り返し地点。日本のエンデューロを象徴する、日高ツーデイズエンデューロが今年も開催される。昨年、災害によって通行止めになった日勝峠はいまだ復旧作業に追われるところだが、大会のインフラには影響せず、予定通り開催前日を迎えた。

 100km超と言われた今回のルートは、実際には90km超レベルにとどまるが、近年まれに見る長距離。タイムスケジュールの都合上、テストの回数を増やすために1周+ショートループといったスタイルをとっている。クロステストは、日高高原荘のスキー場へ設置されるもの。エンデューロテストは、例年同様の西山林道をつなぐもの。それに加えて、廃材置き場をアレンジしたエクストリームテストが用意された。

 選手会のコースインスペクターである大川原潤によれば「クロステストは、ウッズなどもそう多くは無く、スピード重視といったところです。エンデューロテストに関しては、いつも荒れる路面を巧みに回避していて、きれいな路面を走らされるため、こちらもスピードに乗るテストになるでしょう。エクストリームテストはかなり難しいと思いますね」とのこと。鈴木健二も「クロステストとエンデューロテストはいつも通りですが、エクストリームテストはなかなか走りごたえありますね」と言う。

エクストリームテストに使われる、アスファルトの残骸山

同じくエクストリームテストの廃木材山

 今大会には、カナダからエンデューロクロス全米チャンピオンのレクシィ・ピショーが来日しており、ウィメンズクラスに参戦。1週間前には学生レースのキャンオフで華麗な走りを披露したばかりで、今大会も規格外の好成績が期待されるところ。

 ランキング争いの激しいIA1クラスは、トップ2がトレールマシンでの参戦となる。特に面白いのは、鈴木健二のマシン。

ダートフリークが市販を発表したばかりのレトロ外装を身に纏ったWR250Rで、古めかしくも弾丸のような走りが見られること請け合い。目下Rd.1・2を圧勝している釘村忠は、昨年の反省をうまくフォローしたCRF250Lで日高に挑む。日高初参戦の田中教世は、なつかしのKDX220SRでエントリー。


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 DAY1
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前橋孝洋が2年連続でDAY1を制す

この数年、雨に祟られた日高2デイズエンデューロ。今年は、後日台風が北海道を襲う予報となっているものの、1日目は気温もそこそこに晴天。20度以下の、初秋の北海道を満喫できる1日になった。

早朝に発表されたタイム設定はB。念入りに判断した結果、若干の余裕を持たせるための措置で、水量が増した川も1区間キャンセルするルートがとられた。


IA 安定したスピードで前橋孝洋が席巻

タイム計測のないテストは今回は設定されておらず、またクロステストがスタート直後にあるために、スタートを切ってすぐに全開でタイムアタックを強いられる今レース。肌寒い気温の中、エンジンも体も温めておけず、コールドスタートでグラストラックへと入っていく。気を吐いたのは、釘村忠。昨年、スタックで苦い思いをさせられた経験もあって、CRF250Lは万全の準備をしてきた。

しかし、最初のクロステストで2番手につけた前橋は、その後トップタイムを連発。特にエンデューロテストやエクストリームテストでは、トレールとレーサーの差を埋めることが難しく、攻めあぐねる釘村を尻目に、前橋がIAクラスを席巻。

鈴木健二の立ち上がりはよくなかったものの、さすがはベテランというべきかエクストリームテストでは特に好調を喫し、前橋を唯一追い詰める存在となった。よもや昨年の雪辱なるか、というタイムで鈴木が前橋を追うが、なんと鈴木は5分の早着を犯してしまう。本人も「素人かってミスですよね…」と評する落ち度に、前橋は容赦なくタイムを延ばし続け、一度エクストリームテストで転倒、ロスをしてしまうものの、最終的には30秒近いリードをもって優勝。

前橋は「ルートミスして一度焦ったんですが、なんとかオンタイムで走り抜きました。エンデューロテストは、すごく気持ちよかったですね。バイクも2スト250なので、かなり楽ができましたね。いつもエクストリームテストみたいな難しいところでミスをしているので、明日はノーミスでさらにタイムを詰めたいところです。昨年は、DAY2を逃してしまいましたからね」とのこと。


2位は釘村。万全にモディファイを施してきたCRF250Lだが、エンジン・ECUなどには手が入っておらず、さすがにパワー不足が否めないところ。釘村も「限界ですね、これ以上は難しいと思う」とのこと。「ミスもそこそこありましたが、自分なりにはよく出来たと思います。今日走ってみて、もう少し煮詰められる部分も見つけられたので、1〜2秒は縮められるかも、と思っています。混戦ですし、タカ(前橋)をなんとかやっつけたいですね」

鈴木のペナルティを受けて3位へ繰り上がったのは、熊本悠太だった。「実は、何回か前走車に追いついてしまった場面があって、タイムロスしてしまっています。うまくコトが運べば、もっとタイムを詰められると思っています。ただ、明日2日目は路面も荒れてくるので、そうなると健二(鈴木)さんもさらに速くなりますよね」と。



IB 世界の経験が大神智樹を押し上げた

IBクラスは、今季に関しては大神智樹と新沼光がトップ争いを演じているところ。今季、エンデューロGPのイタリアラウンドを経験した大神は、よりライディングに集中するために職を変えてトレーニングの時間をしっかり作ってレベルを上げてきた。その結果、2位新沼に1分を超えるリードをもって圧勝。IAで言えば9位に入るタイム。

「思ったより新沼君もついてくるし、ペースも上げられず課題は多かったです。エンデューロテストでも迷ったあげくに転倒してしまった。とにかく開けて、かつミス少なくコンスタントにタイムを出せるような走りを心がけたい」と大神。



スムーズなレクシィの走り

ナショナルクラスは、地元北海道でここ日高にも深く貢献している日高モーターサイクリストクラブ佐藤裕二が圧勝。クラスを超えたタイムで、IB大神に迫るスピードを魅せた。



ウィメンズでは、カナダから来日しているレクシィ・ピショーが、余裕の勝利。エンデューロクロス全米チャンピオンの経歴を持つ彼女らしく、スムーズなエクストリームテストのライディングにギャラリーもため息をもらすほど。「日本のコースは、ワイドなロケーションでカナダとは違う。オンタイムレースも無いですしね。オンタイムは、こうやってみなさんと一緒にしゃべったり、休憩をとりながらレースできるので楽しいです。日本のウィメンズはタフなライダーたちばかりで驚かされました!」とレクシィ。



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 DAY2
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鈴木健二が挽回、並み居るレーサー達を撃破

2日目も、好天に恵まれた日高2デイズエンデューロ。予定通り、DAY2のIA・IB・N・WのルートはDAY1よりも難しいセクションを取り入れて、さらにエンデューロらしいレース展開へ。タフで、しかしスピードを純粋に競うものとなった。



IA きっちりベテランとして「詰め」た鈴木

DAY2の朝は、DAY1の結果とはまったく違うものに。1本目のクロステストで気を吐いたのは中島敬則である。初めての日高を1日目でしっかり解釈した中島は、ここぞとばかりにファステストタイムで圧倒した。ただ、初日高の2日目をうまくまとめに入ったのは、中島だけではない。石戸谷蓮は、DAY1の成績に悩んだが、DAY1終了後にテストを見直しに行ってラインを組み立て直し、見事に2番手からの立ち上がり。DAY1優勝の前橋孝洋がこれにつづき、鈴木健二は5番手。

しかし、ここからは鈴木の快進撃が続く。DAY2二本目となるエンデューテストでは1番時計を奪取。その後も計3つのファステストタイムを奪い、1日をうまくまとめてきた。その結果、前橋を退けてDAY2を優勝。


鈴木は「コースが荒れてきたこともあると思いますが、今日はうまくまとめられましたね。トレールにレーサーで負けているようでは、若いやつらもまだまだ。頑張って欲しいですね」とのこと。しっかり後輩たちのことを見据えながらも「SUGOでしっかり巻き返しにいきます」と宣告。


前橋は、スタート時にエンジンがかからず10秒のペナルティを受け、3位へ転落。その隙に割り込んだのが、石戸谷だった。「昨日はブレーキペダルの根元から脱落してしまって…ロックタイトつけて閉めてあったんですが。それで帰ってくるので精一杯という感じでした。このままじゃ帰れないと思って、エクストリームテストの下見をし直したんです」と、エクストリームテストを2本とも1番時計でまとめた。


前橋は、スタート時にエンジンがかからず10秒のペナルティを受け、3位へ転落。その隙に割り込んだのが、石戸谷だった。「昨日はブレーキペダルの根元から脱落してしまって…ロックタイトつけて閉めてあったんですが。それで帰ってくるので精一杯という感じでした。このままじゃ帰れないと思って、エクストリームテストの下見をし直したんです」と、エクストリームテストを2本とも1番時計でまとめた。



IB 初優勝を分けた日高、DAY2では新沼光がリベンジ

モトクロスIBのキャリアを持つ新沼光は、今年の成長株でDAY1の覇者大神とはライバル。トライアルIBの大神はテクニックで逃げようとすれば、モトクロスIBの新沼がスピードで追い越す。日高のDAY2もまさに僅差、新沼は「大神くんは歳も同じで負けられないなと、思ってます。前々からくすぶっていて、なかなか勝てなかったんですが、今日はよく走れてよかったなと思いました」とのこと。



木村吏が佐藤を撃破

ナショナルでは、木村吏がDAY1の雪辱を果たして優勝。ハードエンデューロでは名を上げてきた若手らしく、荒れたDAY2ではしっかりタイムを出してきた。



ウィメンズは、レクシィが2連覇。「今日もとにかく楽しかった。昨日よりもラッツが荒れていて、走りごたえがあったし、特にエクストリームテストはハードでしたね」とのこと。2位に甘んじた福田雅美は、3位菅原聖子と接戦を繰り広げた。「日高に似つかわず天気がよくて、秒単位での戦いでした。みんな速くなっていて、本当に辛かった。エンデューロテストでは指を負傷してしまって、ブレーキとアクセルを同時には使えない状態でしたが、最後のクロステストでなんとか1秒差を築くことができました」と辛勝。福田の右手小指は、腫れ上がっていて、相当にタフなレースだったことがにじみ出ていた。